20 minutes~短編戯曲配信所~

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高校演劇部で上演できる短編戯曲3選

久しぶりの演劇記事です。みつむらです。皆様、20 minutes~短編戯曲配信所~をご利用いただきありがとうございます。しかし、正直なところ「使える台本がない」というご意見もあるかと思います。やはり人数や男女比、上演時間全てをクリアする作品は当サイトだけでは網羅しきれないと感じています。しかし、だからこそ、皆様に有益な情報をご提供し、公演成功のお手伝いをしたいと考えております。質の悪い台本を使うことのリスク今の時代、自分の作品をネット上に上げるのは容易く、誰でも簡単に「脚本家」と名乗れてしまいます。特に脚本家の資格や免許は必要とされていないからです。したがって、ネット上に転がっている台本を使って上演することはリスクがあります。ましてや高校生の皆さんがその作品の良し悪しを判断するのは非常に難しい。後で「この選択は失敗だった」と気付いても、稽古が進んでしまってからでは後戻りができません。そこで今回は市販されている数少ない短編戯曲をご紹介します。市販されている=上演作品として一定の質が保証されている、ということですので、作品の良し悪しを見極める力に自信がない方でも安心して部員に紹介できます。今回は3つご紹介します。1.幻覚カプセル―絶望居士のためのコントいとうせいこう氏の『幻覚カプセル―絶望居士のためのコント』です。不条理劇の短編がいくつか収録されており、一本あたりの上演時間は10分程度です。オススメは「幻覚カプセル」、「輪廻橋」、「自殺志願」の3編です。1992年出版ですが、今もなお全国の高校演劇部で上演されています。僕の作品『賽の河原』は「輪廻橋」にインスピレーションを受けて書いた作品です。『賽の河原』のテイストがお好きな方は是非ご一読くださいませ。

【宣伝】戯曲セミナー&リーディング発表会2019

みつむらです。僕が参加しております、岐阜市民文化センター市民ふれあい事業 戯曲セミナー&リーディング発表会の第13回優秀短編発表会の上演作品等が決定しましたので、宣伝させていただきます。★戯曲セミナー&リーディング発表会 第13回優秀短編発表会★日時 2019(平成31)年2月2日(土) 開 場:15時30分 開 演:16時★場所 岐阜市文化センター 小劇場★上演作品 第1話 古嶋 司作      『特記事項なし』       第2話 山口友里作      『相風鈴』 第3話 いわたしずか作  『じぶんぽすと』       第4話 西川真以作    『やさしい晩御飯』 第5話 みつむらけいすけ作『おしるこ自動販売機』★構成・演出 はせ ひろいち★出演 戯曲づくりセミナー受講生ほか★料金 無料★お問い合わせ 岐阜市文化センター(TEL:058-262-6200) 主催:(一財)岐阜市公共ホール管理財団 後援:岐阜市・岐阜県教育委員会こちらのセミナーには4回目の参加となります。こちらは「ドラマリーディング」という形式で上演されます。はせ先生いわく、「記憶した台詞&肉体表現で行う「演技」ではなく、かと言って、「朗読」でもないこの形式は、戯曲の本質を「手軽に」伝えるにはとても優れているのですが、芝居心のあるベテラン役者ほど、戸惑いも多いよう」とのこと。他とは違った形式で上演される今回の発表会は皆様にとっても素敵な刺激になるかと思います。さて、今回上演される『おしるこ自動販売機』は高校演劇部で使用できるようにと2年前の同セミナーの優秀短編発表会で『賽の河原』を上演していただいた直後に書き上げた作品です。その頃は不条理劇ばかり書くのにも飽きて、「自分の原点である“青春もの”を書きたい」と考えていました。高校演劇には定番のシチュエーションがあります。教室、屋上、保健室…etc。「今まで見たことのないシチュエーションで書いてみたい」と考え、渡り廊下で展開する青春群像劇に落ち着きました。今回は社会的なテーマはなく、ただただ高校生の日常を描くことに重きを置きました。どうぞ、肩の力を抜いてご覧ください。当日、会場にて皆様とお会いできますこと、心より楽しみにしております!おわりっ!みつむら

『武器になる哲学──人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50』を読んで

みつむらです。新年一発目の記事はおススメ本のご紹介です。新作は少々お待ちください。今はインプットの時期なんです。何か知識でもアイデアでも入れなければ、アウトプット(創作)はできない、というのが僕の基本的な考えです。今は、新作に向けて色々な本を読み漁り、DVDを観て、出掛けて…という期間ですので、作品は期待してお待ちください。今回は『人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50 武器になる哲学』の感想記事です。哲学というと「実世界では使えない教養」という印象があるかと思います。僕も大学時代に教養科目で履修しましたが、イマイチ実生活には使いづらいなぁといった印象でした。しかし、この本を読むことで、「使える哲学」を身につけることができます。とはいえ、いわゆる哲学書は世の中に沢山あります。なぜ本書を僕がオススメするのか。それには3つの理由があります。1.目次に時間軸を置いていないほとんどの「哲学入門」は、時間軸すなわち哲学史に沿って編集がされています。哲学の初心者が挫折してしまう大きな要因の1つとして「古代ギリシアの哲学がつまらないから」というものがあると筆者は述べています。古代ギリシアの哲学者たちが残した考察の多くは、僕らにとって当たり前のことであったり、誤りであることがあり、そのような考察を学ぶことの「意味合い」を見出すのが難しい。結果として、その段階で辟易して先に進めないという事態に陥ります。それに対して本書は「使用用途別」で分類されているため、自分が必要としている課題解決法に基づいて読み進めることも可能です。2.個人的な有用性に基づいている本書と他の「哲学入門」とで異なる点の2つ目は「個人的な有用性に基づいている」ということです。哲学史上の重要性ではなく、筆者にとって「使えるか、使えないか」の基準で編集されているため、実生活における問題解決に有用な内容のみが掲載されています。是非、使えるところだけ読んで、実践してみてください。3.哲学以外の領域もカバーしている3点目は哲学以外の領域もカバーしているということです。具体的には、経済学、文化人類学、心理学、言語学といったものです。哲学史を見ていくと、「本籍を哲学においていない人物」にもスポットが当たる学問であることが分かります。あらゆる分野での発見や知見を援用しながら、人や社会や世界のあり様についての洞察を縦横無尽に巡らせるのが哲学であり、あまりハードコアな哲学・思想のみに偏ることは弊害の方が大きいと判断して、このような構成にした、と筆者は述べています。以上、3つの理由から本書をオススメします。人間の真理を学びたい方、哲学を学ぼうとして挫折した方、幅広い見識を身につけたい、という知的好奇心溢れる方は読む価値ありです。戯曲を書くために。より良い生き方ができるように。教養を深めてみませんか。それでは、この辺で。おわりっ!みつむら

『ものの見方が変わる 座右の寓話』を読んで

みつむらです。お正月休みということでまたまた本を読みましたので、恒例のおススメ本のご紹介です。今回は『ものの見方が変わる 座右の寓話』です。教養は戯曲を書く上での武器になります。以下は「はじめに」より。寓話の目的は教訓や真理を伝えることであり、お話そのものはそれらを届けてくれる”運搬手段”である。面白さに気をとらわれているうちに、いつの間にか人間や世界、人生についての認識が深まっていくのである。私は本書をつくり込んでいく過程で、古今東西の寓話の面白さを再発見すると同時に、その寓話を一つの材料としながら様々なことを考えた。もちろん、私の視点や解釈が正解というわけではない。それは、一つの視点、一つの解釈にすぎない。本書が、寓話の面白さを知るとともに、自分の仕事や人生、地域・国・世界の進むべき道について考える一つの手がかりになれば、幸いに思う。「はじめに」にあるとおり、自らの見方を変える物語ばかりが揃っており、読みやすい文体であるため、すぐに読み切ることができます。ちなみに僕の作品である『殺さない殺し屋』を書くきっかけとなったカマスのお話も掲載されています。抜粋して、特に印象に残ったお話を1つだけご紹介します。「No.4 泣き婆さん」より南禅寺の門前に”泣き婆さん”と呼ばれる女性がいた。彼女は雨が降れば降ったで泣き、天気が良ければ良いで泣く。雨でも晴れてもいつでも泣いていた。南禅寺の和尚が不審に思い、こうお尋ねになった。「一体、おまえさんはなぜいつもそう泣くのか」すると婆さんはこう言うのだった。「私には息子が二人おります。一人は三篠で雪駄屋をやっております。もう一人は五篠で傘屋をやっています。良い天気の日には、傘屋の方がさっぱり商売になりませんので、まことにかわいそうでなりません。また、雨降りになりますと、雪駄屋の方は少しも品物がはけませんので、困っているだろう。そう思いますと、泣くまいと思っても、泣かずにはいられません」そこで和尚は「なるほど、話を聞いてみれば一応はもっともな様であるが、そう考えるのは下手じゃ。わしがひとつ、一生涯うれしく有難く暮らせる方法を教えよう」とおっしゃった。婆さんはひざを乗り出して「そんなけっこうな事がありますならば、是非ともひとつお聞かせください」と言った。和尚は次のような話をした。「世の中の禍福はあざなえる縄の如しというて、福と禍とは必ず相伴うものである。世の中は、幸福ばかり続くものではなし。かといって不幸せばかりが続くものではなし。かといって不幸せばかりが続くものでもない。お前は不幸せな方ばかりを考えて、幸せのほうをいっこうに考えないから、そのようにいつも泣いていることになる。 天気の良い日は、今日は三篠通りの雪駄屋は千客万来で目の回るほど繁盛すると思うが良い。雨の降る日には、今日は五篠通りの傘屋の店では品物が飛ぶように売れていると思うが良い。こう考えれば、晴れれば晴れたで嬉しいし、雨が降れば降ったで嬉しいであろう」 それ以降、泣き婆さんは楽しく暮らしたという。あなたが持つ、そのものさしは本当に正しいと言えますか?視座という言葉があります。視座とは、「物事を見る姿勢や態度、立場」という意味です。どういう視座で世の中の出来事をとらえるかによって、世の中の見え方は決まり、「良い」ことと「悪い」ことが決まります。逆に言えば、視座が変われば見え方も価値観のものさしも変わります。戯曲を書くことにおいて、状況を様々な視点でとらえ、次の展開をどうしたら面白くなるかを考える力は必須です。あなたが持つ、そのものさしは本当に正しいと言えますか?本書は「働く姿勢と働く意味」や「欲望との付き合い方」、「生と死のつながり」といった15のテーマを元に構成されており、こちらでご紹介した「泣き婆さん」の他に76話の物語が収録されています。僕は筆者の物語の解説がどれも素敵で読みやすく、どれも印象深かったです。人生を、そして自分自身を見つめ直すきっかけになる物語がたくさん詰まった本です。是非、ご一読ください。ではでは。この辺りで。おわりっ!みつむら

2018年

★市民ふれあい事業「戯曲セミナー&リーディング発表会」第12回優秀短編発表会にて『嘘の道』上演★岐阜県立華陽フロンティア高等学校様、平成29年度演劇表現発表会にて『殺さない殺し屋』上演★岐阜県立加納高等学校様、SHOW文化祭にて『オーダー戦争』上演★東京都立西高等学校演劇部様、城西地区春季発表会にて『賽の河原』上演★茨城県立牛久高等学校演劇部様、新入生歓迎会にて『オーダー戦争』上演★兵庫県立洲本実業高等学校演劇部様、数校の演劇部が合同で舞台発表する「スプリングステージ」にて『オーダー戦争』上演★FM高松 Action815内コエガタリのコーナーにて『ここだけの話』がラジオドラマとして放送★茨城県立竹園高等学校演劇部様、『ここだけの話』上演★東京農業大学厚木キャンパス演劇部様、学内向けの若手公演にて『おしるこ自動販売機』上演★名古屋市立工芸高等学校演劇部様、中部日本高等学校演劇連盟愛知県支部の名古屋第2地区大会にて『ぼくらのこえを』上演★学校法人 岐阜済美学院 済美高等学校演劇部様、文化祭にて書き下ろし作品『灰かぶり姫の憂鬱』上演★湘北短期大学 演劇同好会様、第45回 湘北祭にて『オーダー戦争』上演★劇団かんみどころ様、劇団内発表会にて『おしるこ自動販売機』上演★演劇研究会劇団つた様、亜細亜大学 学園祭 アジア祭にて『鏡の掟』上演★金沢龍谷高等学校演劇部様、石川県高等学校文化連盟演劇部 小品発表会にて『オーダー戦争』上演