小手先の危うさ
みつむらです。
僕は地元の戯曲セミナーなるものに通っていまして。
先日もバスを使って教室から帰宅してたんですね。
僕はバスに乗ったら大抵ウォークマンで音楽を聴きながら過ごすんですが、その日は急いで自宅を出たせいでウォークマンを忘れてしまい、手持ち無沙汰で乗っていました。
そしたら、隣の人たちの会話が聞こえてきました。
いや、多分車内中に聞こえてました(笑)。
話し声の主は先程乗ってきたおばあさんたちでした。
おばあさんA「あんた、ホントに麻雀辞めちゃうんかい?」
おばあさんB「うん。そうだねぇ。」
おばあさんA「勿体無い。」
おばあさんB「まぁそうやけどさ。」
おばあさんA「あんたが抜けたらできへん。麻雀は4人おらんと。」
おばあさんB「でもねぇ。」
おばあさんA「それにあんた凄いんやお。私らは考えて色々やってるんやで。これとこれで点数が高いなとか。でもあんたは…。」
おばあさんB「私は何も考えずにやるだけやでねぇ。」
話を聞くに、麻雀仲間のおばあさんたち。
片方のおばあさんは麻雀を辞めるらしく、それを止めようとしている、もう片方のおばあさん。
そして、辞めようとしているおばあさんは天才肌で、何も考えずにやって勝ってしまう様子。
それから、こんな会話も聞こえてきました。
おばあさんA「そういえば、今日の土曜プレミアはなんやっけ?」
おばあさんB「ハリーポッターやて。」
おばあさんA「ああ、何回もやっとるやつやな。」
おばあさんB「今夜のやつは何回も見た。」
おばあさんA「なぁ。今度の金曜、どうなった?」
おばあさんB「え?」
おばあさんA「ほら、映画観に行くって言っとったやろ。」
おばあさんB「ああ。金曜は習い事入っとるんやて。」
おばあさんA「あ、ほんとー?」
「この人たち、ハリーポッター観るんや…。」って思ったのと同時に
「この人ら、自分より人生謳歌してるなぁ。」と。
多分、音楽を聴いていたら、こんな話は聞こえなかったし、新しい発見もありませんでした。
そこで戯曲の話になりますが。
思ったのは、
最近書く台本は自分でも小手先で誤魔化していないか、ということ。
日常の中にある、おばあさんたちの会話のような些細な面白さを描くには戯曲はもってこいなのです。
小手先に溺れると、できているような錯覚に陥りますし、ろくに気持ちを込めもせず、作業的にもなってしまいます。
派手な構成も、魅力的ですが、関係性を描くことの面白さや言葉の些細な表現で魅せていく作品も書いていきたいと考えを改める出来事でした。
ちなみにその後、帰宅して自分のズボンのポケットの中にウォークマンが入っていたことに気づきました。
短いですが、今日はこんなところで。
以上!
おわりっ!
みつむら
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