戯曲の書き方その1:いきなり書き出さない
この記事を読むことで
・戯曲の書き出しのきっかけを知ることができます
・なぜ、いきなり書き出してはいけないのかが分かります
・書く前に何を準備すれば良いかが分かります
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初めにお伝えしたいのは、「その1」とは書いてますが、続くかどうかは分かりません(笑)
さて、今回戯曲の書き方について書こうと思った経緯としまして、質問箱に書き方に関する質問をいただいたからです。
実は出し惜しみをして、触れていなかったなと思い出し、書いている次第です。
「書き方」とは言うものの、僕もまだ誇れるほどの実績もないぺーぺーです。
ただ、何本か作品を創っているのも事実で、まるまる使えないとしても、現役の演劇部に所属する高校生の皆さんにとって、書き出しのヒントにでもなればと思っています。
僕も高校時代は少ないお小遣いで戯曲の書き方に関する本を買ったりして、藁にもすがる思いで何とか1本書き上げた思い出があります。
第一回目の内容としては、
「いきなり書き出さない」
です。
僕は天才でもなければ、ましてや文章を書くことに苦手意識さえ持っていました。
趣味で漫画を描いていた時期もありますが、「絵は上手だけどストーリーはよく分からん」と評されていたくらいですので。
段取り8割
あくまで高校時代の顧問の先生の受け売りになりますが、僕は今まで事前準備をせずに書いた作品は一番最初に書いた作品のみです。
ビジネスの世界に「段取り8割」という有名な言葉があります。文字通り、仕事の良し悪しは最初の準備で8割方決まる、という意味です。
まさに劇作にも同じことが言えると思っています。
60分の作品でも、設定や構成に1ヶ月かかっても、執筆は1週間あれば、完成させられます。
そして、この設定や構成は作品の根幹にあたる部分であり、作品づくりが進めば進んでいるほど、変更には物凄い労力と手間がかかる、大変重要な部分です。最初に苦労しておけば、ほぼ作品のクオリティの8割は決まったようなものです。
台詞を紡ぐのはストーリーの微調整でしかなく、僕は作品の要素のほとんど全てを最初に一気に作り込みます。
まずは企画書を作る
過程を全て書き出すと、とても長くなるため、今回は触りだけお伝えしますが
第1段階は企画書のようなものをまずは作ります。
書く内容は、「タイトル」「あらすじ」「登場人物」「テーマ」「構成をざっくり」です。
タイトルはいわゆる作家にとっては子どもの名前のようなものなので、仮でもいいのでとりあえず付けてください。愛着が湧きます。
登場人物は名前と性別、性格まで二行程度でまとめます。
テーマはいらないという意見もありますが、私は作品に一貫性を持たせるために必ず入れます。これは多分、その人の趣向だと思いますので強制はしません。僕はテーマという1本筋を通すことで作品にまとまりが出るので好きです。
単なる好みですね。
後は構成です。
流れを書いておいて、ストーリーが大きく逸れることのないようにします。
つまり、僕はこの企画書を手元に置いて、台詞を書いています。
ここまでできたら、書くかどうかを考えます。
僕も書くには至らない企画書が何枚もあります。
高校時代はこの企画書をまずは顧問の先生に見せて、「GO」が出たものを書くようにしました。
なぜ「いきなり書き出さなく」なったのか
なぜかというと、初めは僕も1本書き上げてから見せに行ったのですが、その顧問の先生にご指摘いただいたのは
「そもそも設定が今回の公演向きではない」
という、作品の根本に対する指摘だったからです。
その指摘を受けたとき、僕は
「そんなの今から直しようがないじゃん」
と思いました。
そこで、次からはまず創ろうとしている作品のコンセプトや方向性が間違いではないかという確認を目的とした企画書を提出するようになりました。
社会人になった今でも、「仕事ができる人は報連相をこまめにできる人」という話を上司から聞いて、僕が高校時代に気付いたことは間違いではなかったと実感しています。
いきなり書き出さず、まずは簡単な概略から決める。
これが、今回皆さんにお伝えしたいことです。
「そもそも企画書を作るところまで行けない」という方もいらっしゃると思いますので、それについては次回書きます。
それでは。
みつむら
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